お隣さんはイケメン三兄弟

「……くん、……恋くん!」
僕は、花ちゃんの声で飛び起きた。
僕も寝ちゃってたのかな……?
「ごめん! 寝ちゃってた〜……! ……もう着いた?」
「全然大丈夫だよ! 私も寝ちゃってたみたいで、運転手さんに起こしてもらったんだ。じゃ、行こっか?」
花ちゃんが差し出してくれた手を、「うんっ」と短く返事をして握る。
手っ……握るのなんか緊張する……、やっぱり"新しい好き"が分かってから花ちゃんが近くにいるの緊張するな……。
ていうか、まーくんも花ちゃんの寝顔見たのかな……僕だけの宝物にしたかったのに。 でも、まーくんも運転中だったし、見たとは限らないか!
「恋くんは何の動物ちゃんが見たい……?」
僕と手を繋いで少し前を歩いている花ちゃんが、こっちを振り向いて僕に聞いてきた。
動物、かっ……手を繋いだり、花ちゃんが僕の肩で寝たり……色々あったから忘れてたけど、今から動物に会うんだった……。
そう思うと、なんだか気が重たくなってきた。
「と、とりあえず見に行こ〜! 楽しみだねぇ〜!」
花ちゃんは少しくらい顔をしながら、首を縦に振って歩き出した。
「わっ……! ここの水族館、大きいね! 日本一大きい水槽もあるんだって! しかもその中にカメちゃんとかお魚とかもいるらしい……!」
か、カメっ……⁉︎ 巨大水槽ってことはカメも大きいのかな……⁉︎ 今からでもちょっと怖い……。
中に入って歩いて少しした所に、花ちゃんが言っていた日本一の巨大水槽があって、その巨大水槽の中で、小さい魚や、大きいカメ、更には8mはある大きいジンベエザメもいた。
「カメちゃんかわいいね……! 思ってたよりも大きいし、ジンベエザメのザンタも大きい! ……あ、カメちゃんとザンタがこっち来るよ!」
花ちゃんが指差した先にはカメとジンベエザメがいて、僕たちの方に向かってくる。
やば……巨大動物が近いっ……怖いっ……。
あれ……なんか力入んない……。視界が揺れてる……?
「恋くんっ……⁉︎」
花ちゃんが必死な顔で駆け寄ってくる。それがスローモーションに見えて、ガンッという鈍い音がして、僕の意識は途絶えた。