ーーダダダッ!
ホームルームが終わって帰ろうとしたころ、ろうかを走る音がして、私はびっくりして教室を出る。
そこには、走ってくる健太くんがいた。
「健太くん⁉︎」
私が大声で叫ぶと、クラスのみんながいっせいに声を上げた。
「えっ、健太くん?」「あの超イケメンの⁉︎」「実くんと恋くんと同じくやっぱりイケメン!」「目の保養だわ〜」
す、すごい人気なんだなっ……。
私がそんなのんきな事を思っていたら、健太くんにガシッと手をガシッとつかまれた。
「花! ちょっと来てくれ!」
「えっ……⁉︎」

「はあっ、はあっ、はあっ……」
私はたくさん走って息切れしていたけど、健太くんは全然息切れしていなかった。
す、すごいっ……。何か健太くんが雲の上の人みたいに思えてきたっ……。
「花! 見てくれ! テストの結果!」
健太くんはそういうと、私に勢いよくテスト結果の紙を見せてきた。
「……! すごいっ! は、8位⁉︎ よく頑張ったね!」
1けた台にまで入っちゃうなんて本当にすごいっ……。
「ま、まあ、俺が頑張ればこんくらい余裕だけどな……」
「でもほんとにすごいよ! あ、そうだ、『ご褒美』いつにする?」
頑張ったら2人で出かけるって約束だったよね!
「んー……今週の日曜とかはどうだ?」
「うん! 大丈夫だよ!」
「じゃあ、朝の10時に花の家迎え行く!」
「分かったっ……」
健太くんの提案に笑顔で返事をした。
「……わいい……」
「健太くん、何か言った?」
「い、いや! 何でもねー……」
大丈夫、だよねっ……?
「じゃあ、また日曜日!」
「おう!」
私たちは、そんなことを言いながら帰った。