家から駅までは徒歩10分。
流行りの音楽をイヤホンで流しながら、スマホを開いて__なんてことはしない。
イヤホンで英語のリスニング音源を流して、スマホで回答する。これも、日課になってきた。
駅についたらイヤホンを仕舞い、身だしなみを再度整える。電車が何本来ようが、絶対に乗らない。
今日は、どうしても会いたくて仕方がないから。私の愛しの人に。
そわそわと待ち人が来るのを待っていたら、駅について30分後にやっと来た。
「え、まさか晴、俺のこと待ってねーよな……?」
「待ってた! えーっと……30分前くらい?」
「なっが! さっさと行けばいいのに、帰りに会えるかもしんねーじゃん」
「朝会いたかったの。悪い?」
「悪くないですー。俺も会いたかったし」
身長は約175センチ。声が低くて、髪が短くて、バスケ部。
私の愛しの人は、雨城光(あまぎみつる)。幼稚園の頃から仲が良くて、小学校で絶縁状態にされた。
私達の行動のせいではあるから、それは認めているので文句は言えない。
そして、今は彼氏となっているがあまりの両家の仲の悪さに、どこから情報が漏れるかわからないからと、
周りの友達にさえ言えない始末。この事以外に悔しいものはない。
「晴お嬢様はいつも学年1位か、すげーな、勉強とかしたくねーわ」
私が手に持っていた単語帳を目にして、光はそんな事を言う。昔だったら一緒に勉強したのに、
今では学校が違うからどこを問題に出しても絶対にテスト範囲がすれ違う。
「そんなこと言って光だっていつも5位には絶対入るんでしょ?」
「俺みたいな低レベルな学校での話なんて貴方達には関係ないでしょーよ」
肘で小突かれて、二人で少し笑う。でも、手を繋ぐことは絶対にしない。
あの日以来、相手が同性であれ恋人であれ、手を繋ぐことを躊躇ってしまう。
多分これは光だってそうだ。仲が良い友達にでもベタベタ接しない。
「そういえば、朝連絡したのまずかった? 返信無かったじゃん」
「あれは本当にまずいよ!! お父さんが近くにいたんだって、大変だったんだから!」
「ごめんごめん」
少し笑って謝るところが昔っから変わっていない。そこが昔から大好きだった。
__ね、あのさ。俺と……手、繋ごう? よ、夜は危ないからっ……
「……晴? どうした、なんかあったか?」
昔の光の姿が目の前に見えた気がした。手を伸ばそうとしていた自分に気がついて、
右手を自分の方に戻す。あの時のことなんて、夢でも見なかったのに。
「え? ……あ、ううん。なんでもない。ここで別れたほうが良いよね、ばいばい。」
「なんかあったら学校ででも送れよ? スマホ開いとっから!」
学校で開いてるのは校則違反でしょ、という意見は置いておいて、
その気遣いが私には心に染みた。
流行りの音楽をイヤホンで流しながら、スマホを開いて__なんてことはしない。
イヤホンで英語のリスニング音源を流して、スマホで回答する。これも、日課になってきた。
駅についたらイヤホンを仕舞い、身だしなみを再度整える。電車が何本来ようが、絶対に乗らない。
今日は、どうしても会いたくて仕方がないから。私の愛しの人に。
そわそわと待ち人が来るのを待っていたら、駅について30分後にやっと来た。
「え、まさか晴、俺のこと待ってねーよな……?」
「待ってた! えーっと……30分前くらい?」
「なっが! さっさと行けばいいのに、帰りに会えるかもしんねーじゃん」
「朝会いたかったの。悪い?」
「悪くないですー。俺も会いたかったし」
身長は約175センチ。声が低くて、髪が短くて、バスケ部。
私の愛しの人は、雨城光(あまぎみつる)。幼稚園の頃から仲が良くて、小学校で絶縁状態にされた。
私達の行動のせいではあるから、それは認めているので文句は言えない。
そして、今は彼氏となっているがあまりの両家の仲の悪さに、どこから情報が漏れるかわからないからと、
周りの友達にさえ言えない始末。この事以外に悔しいものはない。
「晴お嬢様はいつも学年1位か、すげーな、勉強とかしたくねーわ」
私が手に持っていた単語帳を目にして、光はそんな事を言う。昔だったら一緒に勉強したのに、
今では学校が違うからどこを問題に出しても絶対にテスト範囲がすれ違う。
「そんなこと言って光だっていつも5位には絶対入るんでしょ?」
「俺みたいな低レベルな学校での話なんて貴方達には関係ないでしょーよ」
肘で小突かれて、二人で少し笑う。でも、手を繋ぐことは絶対にしない。
あの日以来、相手が同性であれ恋人であれ、手を繋ぐことを躊躇ってしまう。
多分これは光だってそうだ。仲が良い友達にでもベタベタ接しない。
「そういえば、朝連絡したのまずかった? 返信無かったじゃん」
「あれは本当にまずいよ!! お父さんが近くにいたんだって、大変だったんだから!」
「ごめんごめん」
少し笑って謝るところが昔っから変わっていない。そこが昔から大好きだった。
__ね、あのさ。俺と……手、繋ごう? よ、夜は危ないからっ……
「……晴? どうした、なんかあったか?」
昔の光の姿が目の前に見えた気がした。手を伸ばそうとしていた自分に気がついて、
右手を自分の方に戻す。あの時のことなんて、夢でも見なかったのに。
「え? ……あ、ううん。なんでもない。ここで別れたほうが良いよね、ばいばい。」
「なんかあったら学校ででも送れよ? スマホ開いとっから!」
学校で開いてるのは校則違反でしょ、という意見は置いておいて、
その気遣いが私には心に染みた。
