朝起きたら、ベットメイキングをする。綺麗にしたら、制服に着替え始める。
制服の赤いリボンはベージュ色のブレザーとマッチしている。この制服のために受験したと言っても過言ではない。
私は、今年の春から中学受験校に通っている。それも、ここら辺ではレベルの高い学校に。
「おはようございます、お母さん、お父さん。美夢もおはよう。」
「おはよう、晴。今日もしっかりした服装に口調で偉いわぁ」
エプロン姿が似合うのは私の母、美咲さん。本当の母親ではないけど、本当の娘のように接してくれる。
「おはよう晴。」
新聞を広げているしっかりネクタイをした人は私の父、晴樹さん。私の性格は父親似だ。
「はるおねーちゃん、おはよー!」
幼稚園に行く準備をしている小さな子は私の妹、美夢ちゃん。美咲さんと晴樹さんの子供で、まだ5歳だ。
「うん、おはよう。」
私が中学に通い始める少し前、春休みくらいから作られた家族。私に不満の無いように、ある程度は何でも出来る。
そんな人生2度目の家族だけれど、私には少し納得のいかない部分がある。
スマホが鳴る音がして、開いてみれば『雨城光』の名前が画面に映し出される。
それと同時に父は目を鋭くさせて、「誰だ」と聞いた。画面までは見えていないのだろう。
「中学の友達です。最近仲良くなったんです。確か、穂夏ちゃん、と言いました。」
父は新聞を閉じて私の方に向き直る。あの日以来、友人関係に厳しくなってしまった。
「まさかだが、雨城君と話したりしていないよな?」
スマホに映し出された名前を見て、電源を落とす。これがバレたら、どうなってしまうのか私でもわからない。
「お父さん、私のことを疑うんですか? 雨城君とは、あれ以来話していません。勿論です。」
父を裏切る言葉を連ねる。その流暢さに自分でも驚いてしまう。これほどまでに、あの人を守りたいのか。
満足したのか鼻歌交じりで玄関へ父は向かい、そのまま出社していった。私も行かねばと朝御飯を口に運ぶ。
身だしなみや持ち物の最終チェックをして、妹の頭を撫でる。これが家を出る前の日課。
「行ってきます。」
制服の赤いリボンはベージュ色のブレザーとマッチしている。この制服のために受験したと言っても過言ではない。
私は、今年の春から中学受験校に通っている。それも、ここら辺ではレベルの高い学校に。
「おはようございます、お母さん、お父さん。美夢もおはよう。」
「おはよう、晴。今日もしっかりした服装に口調で偉いわぁ」
エプロン姿が似合うのは私の母、美咲さん。本当の母親ではないけど、本当の娘のように接してくれる。
「おはよう晴。」
新聞を広げているしっかりネクタイをした人は私の父、晴樹さん。私の性格は父親似だ。
「はるおねーちゃん、おはよー!」
幼稚園に行く準備をしている小さな子は私の妹、美夢ちゃん。美咲さんと晴樹さんの子供で、まだ5歳だ。
「うん、おはよう。」
私が中学に通い始める少し前、春休みくらいから作られた家族。私に不満の無いように、ある程度は何でも出来る。
そんな人生2度目の家族だけれど、私には少し納得のいかない部分がある。
スマホが鳴る音がして、開いてみれば『雨城光』の名前が画面に映し出される。
それと同時に父は目を鋭くさせて、「誰だ」と聞いた。画面までは見えていないのだろう。
「中学の友達です。最近仲良くなったんです。確か、穂夏ちゃん、と言いました。」
父は新聞を閉じて私の方に向き直る。あの日以来、友人関係に厳しくなってしまった。
「まさかだが、雨城君と話したりしていないよな?」
スマホに映し出された名前を見て、電源を落とす。これがバレたら、どうなってしまうのか私でもわからない。
「お父さん、私のことを疑うんですか? 雨城君とは、あれ以来話していません。勿論です。」
父を裏切る言葉を連ねる。その流暢さに自分でも驚いてしまう。これほどまでに、あの人を守りたいのか。
満足したのか鼻歌交じりで玄関へ父は向かい、そのまま出社していった。私も行かねばと朝御飯を口に運ぶ。
身だしなみや持ち物の最終チェックをして、妹の頭を撫でる。これが家を出る前の日課。
「行ってきます。」
