「ありがとう…」
小さな声でボソリとらしくないことを言う。
病気のことを聞かないでくれたこと、水をくれたこと、誰にも言わないでくれたこと。
そしてこんな俺のことを心配してくれたこと
全てに感謝を込めて言うが
「ん?なんか言った?」
小さな声は風の音にかき消されてしまった。
「別に何も」
今はまだ素直になれないだから少し誤魔化す。
「それよりなんでここのこと知ってんだ?」
話をそらすためと疑問だったことを聞く
「長谷川さんに聞いたの!」
長谷川さん....?ってあの婆さん看護師か
あの人少し怖いんだよな
ずっと睨んでくる感じがあって
「ハルのとこ行ったらいなくてどうしようかと思ってたら」
「たまたま通りかかった長谷川さんがここを教えてくれたの!」
楽しそうにまた笑いながらいう夏華
「なるほどな」
俺がそう答えてから俺と夏華の間に少し沈黙がうまれる。
その沈黙を破るように夏華が口を開く。
「ここ、好きなの?」
陽の光に照らされ風に揺られる茶髪の綺麗な髪を揺らしながら聞いてくる夏華
それを見てあの時...病室で初めてこいつ(夏華)を見た時にも思った。
"綺麗"
そんな言葉が浮かび思わず見とれてしまった。
「ハル?大丈夫?」
そう言って俺の目の前で手を振る夏華。
「ああ、それよりハルってなんだよ」
「ハルキってなんか言いずらいからハル!」
「いいでしょ!」
そうドヤ顔で楽しそうに話す夏華
「あとハルって名前ハルにピッタリ」
「え?」
思わず聞き返してしまう。だってそんなこと言われたことないから。
「なんだか初めて見た時は冷たいやつだなぁって思っていたけどさ」
やっぱりみんなそう思うんだなそりゃそうか
「話してみるとさなんか慣れてないだけでいい子ってわかる」
「それがなんだか雪がまだ熔け切れてない春みたいだなぁって」
そんなこと...初めて言われた。俺は自分の名前が昔から嫌い。
名前の理由も周りからの反応も
『ハルキって名前似合わない』
そんなことしか言わなかった。けど...やっぱりこいつは違うな、そう微笑みがこぼれてしまう。
「ありがとう」
「え、あ、うん」
そう笑顔で、夏華のように笑ってお礼を言ってみる。そういった俺を見て元々大きな目をさらに大きくして夏華は驚いていることがわかる。
「ふっ...ははは」
その姿に思わず笑ってしまう。
「な、なんでそんな笑う!?」
「あははは」
「笑いすぎ笑」
その後も俺たちは笑った。
夏が始まったこの日
大空に大きな雲と俺たちの声が響いた。
それからというもの俺はなんとなく夏華と上手く話せていると思う。
と言っても自分から話題を出すわけでも自分の意見を言う訳でもないけど、今までずっとぼーっと聞いていた話も相槌をうちながら話を聞くようになった。
そこから世界に色が戻っていくようにこいつと話しているこの時間が、楽しみになっていた。
残り少ない俺でもこんなに楽しんでいいのだろうか…。
そう思いながらこいつと...夏華と話す。
そんな風に過ごしていたらいつの間にか8月に突入していた。
小さな声でボソリとらしくないことを言う。
病気のことを聞かないでくれたこと、水をくれたこと、誰にも言わないでくれたこと。
そしてこんな俺のことを心配してくれたこと
全てに感謝を込めて言うが
「ん?なんか言った?」
小さな声は風の音にかき消されてしまった。
「別に何も」
今はまだ素直になれないだから少し誤魔化す。
「それよりなんでここのこと知ってんだ?」
話をそらすためと疑問だったことを聞く
「長谷川さんに聞いたの!」
長谷川さん....?ってあの婆さん看護師か
あの人少し怖いんだよな
ずっと睨んでくる感じがあって
「ハルのとこ行ったらいなくてどうしようかと思ってたら」
「たまたま通りかかった長谷川さんがここを教えてくれたの!」
楽しそうにまた笑いながらいう夏華
「なるほどな」
俺がそう答えてから俺と夏華の間に少し沈黙がうまれる。
その沈黙を破るように夏華が口を開く。
「ここ、好きなの?」
陽の光に照らされ風に揺られる茶髪の綺麗な髪を揺らしながら聞いてくる夏華
それを見てあの時...病室で初めてこいつ(夏華)を見た時にも思った。
"綺麗"
そんな言葉が浮かび思わず見とれてしまった。
「ハル?大丈夫?」
そう言って俺の目の前で手を振る夏華。
「ああ、それよりハルってなんだよ」
「ハルキってなんか言いずらいからハル!」
「いいでしょ!」
そうドヤ顔で楽しそうに話す夏華
「あとハルって名前ハルにピッタリ」
「え?」
思わず聞き返してしまう。だってそんなこと言われたことないから。
「なんだか初めて見た時は冷たいやつだなぁって思っていたけどさ」
やっぱりみんなそう思うんだなそりゃそうか
「話してみるとさなんか慣れてないだけでいい子ってわかる」
「それがなんだか雪がまだ熔け切れてない春みたいだなぁって」
そんなこと...初めて言われた。俺は自分の名前が昔から嫌い。
名前の理由も周りからの反応も
『ハルキって名前似合わない』
そんなことしか言わなかった。けど...やっぱりこいつは違うな、そう微笑みがこぼれてしまう。
「ありがとう」
「え、あ、うん」
そう笑顔で、夏華のように笑ってお礼を言ってみる。そういった俺を見て元々大きな目をさらに大きくして夏華は驚いていることがわかる。
「ふっ...ははは」
その姿に思わず笑ってしまう。
「な、なんでそんな笑う!?」
「あははは」
「笑いすぎ笑」
その後も俺たちは笑った。
夏が始まったこの日
大空に大きな雲と俺たちの声が響いた。
それからというもの俺はなんとなく夏華と上手く話せていると思う。
と言っても自分から話題を出すわけでも自分の意見を言う訳でもないけど、今までずっとぼーっと聞いていた話も相槌をうちながら話を聞くようになった。
そこから世界に色が戻っていくようにこいつと話しているこの時間が、楽しみになっていた。
残り少ない俺でもこんなに楽しんでいいのだろうか…。
そう思いながらこいつと...夏華と話す。
そんな風に過ごしていたらいつの間にか8月に突入していた。

