肩くらいまである髪を一つにまとめていて、すごく美人。
見とれていると、店長さんが私に軽く会釈してくれた。
「あっ…、こんにちは!すみません、来てしまって…」
「あら、礼儀正しいのね。ぜーんぜん大丈夫!大智ったらいつも違う女の子連れてくるんだから慣れちゃったわ」
大智…名前呼びってことは、親しい仲なんだなぁ。
「一人で来ることも多いじゃん。そだ、茉優。紹介するな、この子篠原優紀さん」
室川くんに紹介してもらい、店長さんに頭を下げる。
「で、篠原さん。店長の名前は木下茉優さん。俺のシンユウ」
「優紀ちゃんでいいかな?私のことも茉優って呼んで。よろしくね」
そう言って、茉優さんが手を差し伸べてくれたの握手をする。
多分、20代前半くらいで、室川くんが言ったとおり気さくで優しい人だ。
「よろしくおねがいします!」
「元気でよろしい!あ、せっかく来たし、なんか食べてきなよ!パフェでもいいからさ」
「え、ありがとうございます。いただきます」
キラキラ目を輝かせていると、茉優さんと室川くんに笑われてしまった。
「篠原さんってやっぱオモロい。茉優には敵わないけど」
「茉優?」
今、呼び捨て…。
「あ…茉優さん茉優さん」
焦ったように言い直す室川くん。
そう言えばさっきも茉優って呼んでたような…。
シンユウだとは言っていたけど、本当にそれだけなのかな?