顔が熱くなる。
それに、広瀬くんの体重がかかって重い!
お願い、早く起きてっ!

数分後…

もう、我慢できない!ごめん、広瀬くん!
「おーきーて!!広瀬くんっ!」
バシバシと背中を叩いて広瀬くんを無理やり起こす。
大きく伸びをして起きた広瀬くんが私を見てギョッとする。
「んぁ?な…っ、んでお前がここにいんだよ!!何してんだ!?」
それは、こっちのセリフ!!!
数分待たないでその場で叩き起こせばよかったの!?
「私の気も知らないで…///」
恥ずかしくなってさっと広瀬くんから距離を取る。
「じゃあ、私もう行くから!おやすみなさいっ」
今の顔を見られたくなくて、逃げるように保健室を去る。

「はぁ、はぁ…」
結構走ってきたなぁ。
ここ、3階の空き教室並びの廊下だ…。
「あー!篠原さんだ!」
後ろから私の名前を大きな声で呼ばれ、ビクッと肩が揺れる。
「室川くん?」
振り返ると、ニコニコ笑顔で手を振ってくる室川くんと目があった。
なんでこんなところに?
それに、私としゃべったこと全然ないのに、名字覚えててくれてるんだ。
「偶然だねっ。どうしたの?息切れしてるけど」
「ハハハ…なんでもないよ。室川くんこそどうしてここにいるの?」
「ん、女の子に呼び出されてさ。タイプじゃなかったから振ったんだけどビンタされちゃった」