持ってくれ頼む!!
「おぉ!なるほどね!すごい、わかるよ私!」
そんな俺の葛藤を知らない篠原は、パッと俺のことを見上げる。
だから…篠原のほうが背ちいせぇんだから意識しなくても上目遣いになってんだよ!バカ!
耐えれなかったらどうすんだよ!
「そ。じゃあ、他のは自分で解けよ」
そばにいたいけど、これ以上近くにいたら俺が危険だ。離れねぇと。
「はいっ!なんか広瀬くん、先生よりわかりやすい。えへへ‥」
このやろ…ぜってぇ俺の理性ぶち壊してぇみたいだな。
無邪気に笑うんじゃねぇよ。今、危険なの、わかってる?
持ちこたえるけど!できるだけは…!
「アホ。お前が授業中寝てて教師の話聞いてねぇから、俺のほうがわかりやすいんだろ」
「ぇえっ!なんでわかるの!?エスパー!?」
いつも見てるからバレバレなんだよ、バーカ。
「お前のこと見…」
あ。やべっ!!言うとこだった…。
聞いてないよな、篠原…?
「へ‥私?」
「ち、違う!…わけじゃねぇけど…その、あれだ。お前の隣の席だから。目に入ってんだよたまたま」
「…そ、そうだよね!アハハ、見られちゃってたか…」
これで誤魔化せるのかよ。なんか、単純だな、篠原。
そういうところも可愛い、けど。
「そうだっ、お昼にしない?下にランチ食べるところあるし」
いきなり立ち上がったと思えば、篠原は勉強道具を片付けながらそう言った。