俺が、室川から聞いた時、嫉妬心がどんだけあふれ出たか知ってんの?
篠原が思ってる俺じゃないよ、ホントの俺は。
「広瀬、くん?どうしたの…?」
「‥なんでもねぇ」
こんなだせぇこと考えてるって、思われたくない。
こいつに…篠原にだけは、俺がどれだけ嫉妬深いか、独占欲が強いかを知られても失望してほしくない。
「ほんと?」
なんで、そんな俺のこと気にかけてくるわけ。
ただの、クラスメイトじゃん。
「バーカ。いいから勉強すんぞ」
篠原の頭を撫でて席に座る。
はっず。
言わなきゃよかった。
「うん、わかった‥」
まだ何か言いたそうにしてる篠原に気づかないふりをして、問題集を開く。
あー…これくらいなら5~10分あれば解けるな。篠原に教えてる時間はあるはずだ。
「…ぬぬぬ…」
まだ勉強を始めてから2,3分しか経っていないというのに、篠原が問題集をにらんでいた。
分かんねぇのか…。俺に聞いてくれればいいのに。
「何、どこが分かんねぇの」
「うぐ…。最初から分かりません…」
最初から?まあ確かにむずいかもだけど。
「ここが分かればあとは全部解ける。えっと―」
解き方を教えるため、篠原と必然的に距離を詰める。
やば…近い。俺の心臓、めっちゃはやくなってる。
篠原は気にしてないのか、うんうん頷いてるし…俺だけかよ。
理性、持ってくれ‥いくら人が少ないとはいえ、ここで手を出したら完全に嫌われる。