「顔が整ってる人…は、確かに魅力的なのかもしれないけど、どっちでもいいかな」
私の言葉に、蘭はさらに目を見開いて口をへの字に曲げた。
「ふぅん。なら室川くんのほうがタイプにあってるんじゃない？広瀬くんは女子嫌いだから、冷たいし無視されるから優しくないしさ」
…室川くんって確か、結構な遊び人だった気がする…。
「あと、遊び人な人も私イヤ、かなぁ…」
ちゃんとタイプはあるよ！という意味を込めて蘭をじっと見つめる。
「マジ？うちはちょっとくらい経験あったほうが好きかもー。優紀のタイプがそれなら否定はしないけどぉ」
納得してない様子の蘭に苦笑いをする。
と、バンッ！と私の隣の席から大きな音がした。
「お前ら、うるせぇ」
広瀬くんが眉間にしわを寄せて強く睨んでくる。
かなりお怒りだ…怖い…。
蘭も不服そうにはしているけど、さすがに反論せずに「後でね」と言って自分の席に戻っていった。
あぁ、蘭とあんまりしゃべれなかった…。
チラッと横目で広瀬くんを見ると、机に顔を突っ伏して寝ていた。
うるさいって言ってたのって自分が寝るため！？
意味がわかってムッとしていると、広瀬くんがいきなり起き上がって私を見た。
「何なの？さっきから視線が痛いんだけど」
わ、バレてた…。
どうしよう、言うのが怖い。
でも、わざわざ起きてくれたんだし、嘘つくわけには…。