「だって〜、ただでさえ常連しか来ないんだから食べ物無駄にさせたら迷惑じゃんー」
冗談っぽく言う室川くんに、茉優さんが室川くんのおでこをデコピンする。
本当に仲が良いんだなあ。
室川くんに連れてこられる女の子たちはこういう光景を見ているんだろうか。
そうだとしたら、嫉妬するんだろうな。
「私…そろそろ失礼しますね。代金はここにおいておきます。室川くん、ありがとう。茉優さん、パフェすごく美味しかったです！」
「え？もう？俺はまだここにいるけど戻れる？」
「うん。一人で戻れるから大丈夫。学校サボったから心配で。それじゃ…」
パフェを食べ終わって学校のことが心配になったのもあるけど、２人の雰囲気についていけなくなったのもある。
仲が良い２人を見てると邪魔しちゃいけないんだなって気持ちになる。

その後、学校に戻ると先生たちが鬼のような形相で待ち構えていて、たっぷり１時間怒られた…。
「ったく、何してんの、優紀は。怒られるってわかってんのにサボるなんて。それに初めてじゃん？授業サボるの。もしかして、数学が夢原センセーだから嫌になったとか？」
蘭が冗談めかしてそんなことを言う。
むしろ、数学は成績が悪いから参加したかったんだけどね…。
でも、室川くんと一緒だったなんて言ったら、なんて言われるかわからないし…。
「ちょっと息抜きしたくて」