甘々とロマンス中毒

「あやちゃん、大丈夫?すごく眠たそう」

寝てないのかなぁ。心配…。

「勉強大変なの?」

「課題が多いのと試験範囲が広いから、それなりに」

そう話すあやちゃんは、私に視線を流しながら前髪を掻いた。

「(わ…!あやちゃんの唇の端、むずむずしてる)」

眠たいときは口数が減る。
閉じそうな瞼を柔く擦る。

ぽやん、とゆめうつつなあやちゃんも可愛い。

本日、二回目のきゅんに溺れる。

と、小さな欠伸を溢すあやちゃんが、最近お疲れモードで帰宅するパパに重なった。

毎朝爽やかな顔で家を出るパパは、夜、スーツを崩して帰って来るの。

昨日は玄関に上がるなり「ただいま、らんこちゃん」と、出迎えたママをぎゅっと抱きしめて。

最初こそびっくりしたママは、すぐにパパへぎゅうを返して「お帰りなさい、今日もお疲れ様でした」と、優しく髪を撫でて。

調子に乗ったパパは「…らんこ、もっと癒して」とママの肩口に頭を置き、更に撫でてもらおうと甘えていた。

二人は子どもたちが居ないと思っていたみたいだが、階段を降りようとしていた一咲はしっかり見届けていたし、部屋から出て来たお兄ちゃんはうわぁ、と白けていたりする。

一部始終を目撃していないのは、リビングでモモちゃんと遊んでいた一葉だけだ。

それに、ママはパパが疲れてるときいつも……。
あ…っ!頭上に閃きが灯った。


「ご飯作ってる間に部屋でお休みする?」

「?」

「疲れてるみたいだから、ちょっとでも寝てほしいなぁって。寝るの、や……?」

「んー、ヤダ」

ひゃあ、即答。