甘々とロマンス中毒

あやちゃんに会うたび更新されるであろう、
一咲流 ルール 第1弾

1.おいしいハンバーグを作る
*ふわふわオムライスを作るのはナイショ
2.あやちゃんの前で、にやにや・ふにゃふにゃしない
3.いっぱい質問しない、質問されてもたくさん答えない(超重要!)
4.21時までには帰ること
*ママとの約束

お昼休み、シナモンの付箋に箇条書きして、B5ノートの裏表紙にぺたっと貼り付けた。

𓈒 𓏸𓈒𓂂𓂃♡

都心の一等地に聳え立つ、高級マンションの303号室。

今日は、インターホンと睨めっこすることなく、瞳を僅かに伏せつつ、その呼び出しを押した。

「(くーる、お淑やか、上品…浮かれない。あくまで、一咲便だから。ン…?……“あくまで一咲便”て、なんだ…?)」

心の中で自問自答するの。うーんと首を傾げてあやちゃんを待つ。

三つ編みの毛先を指に巻いて遊んだり、淡いピンクが色づくリップを塗り直したり、あやちゃんとのLINEを読み返して幸せ摂取を堪能したり。

途中、ふにゃと頬が緩んだから、慌てて両手で持ち上げる。一咲流ルールを立てたはずが、もう危ないです。

「(ドキドキするなぁ)」

そうしてると扉の奥から音が響いた。

———ガチャ…ン

伏せた瞳が王子さまを見つめて。
胸の奥がきゅうと、切なく、くるしい。

薄く開いた唇、ぽわと蕩ける頬。
溶けかけた瞳が、王子さまの切れ長の、深い夜色を宿した瞳と重なる。同色の長い前髪が揺らめいた。

わ〜〜っ!あやちゃんだ。


「……はい」

ええっ!?声ひくっ。

「い、一咲です」

「…いらっしゃい」

今朝の甘々なあやちゃんはどこに?

8日ぶりの王子さまは、ほんの少し気怠げで、うとうとしているの。