「よぉ萌音。久しぶりだな。」
「あの、、、あったことありましたっけ？」
「、、、は？覚えてないの？」
「はい、、、全く。」
え、私って、矢部海斗と知り合いだったの、、、？
ウソ、、、記憶ないんだが？

「昔は、確か、萌音は俺のことを、海ちゃんって呼んでたな、、、。」
「、っ！」
「思い出したか？」

思い出した。
私が小学校一年生の時、お世話してくれた二年生が、海ちゃんだった。
海ちゃんは、かっこよくて、ちょっとパパに似てるところがあったから、好きだった。
つまり、私の初恋相手だ。
初恋相手が、今世界で一番関わりたくない人とか最悪すぎだろ、、。

「なんで私がこの学校に入るってわかったの、、？」
「母さんが言ってた。」

そうなんだ、、、。

海ちゃんとかかわらなくなったのは、パパとママが離婚してから。
海ちゃんは、パパに似てたから、海ちゃんと関わると、パパを思い出してしまい、寂しくなるから、かかわらなかった。

それまでは、海ちゃんとはめっちゃ仲が良かった。
学年が違うのに、毎日遊んでた。
正直に言って、好きだった。
うん。「だった」。

「あの、矢部さん。」
「昔みたいに海ちゃんって呼んでよ。」
「無理。せめて海斗。」
「おっけーじゃあ海斗で。」
「海斗、なんでうちのこと呼んだの？ただ、思い出してもらうためだけに呼んだの？」
「んなわけないじゃん。」

じゃあ、なんなの。
ほんとに、なるべく関わりたくないのに、何かが、始まってしまうような予感。

「いいか、よく聞けよ。」
「はい。」
「俺は、萌音のことが好きだ。」
「は？」
「ちっちゃいころからずっと好きだった。俺と付き合ってくれ。」
「、、、。無理。」
「だよなぁーそーゆわれると思ってた。」

海ちゃん、、、海斗が私のこと好き！？
いやいや、まあ、人に好かれるのはうれしいけど、よりにもよって、初恋相手×不良にすかれるとか、最悪すぎませんか？

「萌音。覚悟しとけよ。前みたいな、優しい俺じゃねぇからな」

私のこの先の生活、どうなんの、、、。