知らないことは知らないままで

結衣の友達たちが
女子トイレから去った後
私はあえて時間をずらし
さいごの力を振り絞って
立ち上がり制服を乾かすために
学校の非常階段のところまで向かった


「こんな水浸しでは
怜生くんに会えないよ…
怪しまれちゃう…。」


今日は怜生くんと一緒に帰る予定だ
私は怜生くんにメッセージで
30分遅れると伝えてから
非常階段で制服を乾くのを待った



「私、深海結衣として
このまま…。もしバレたら…。
もう…先の事を考えるのやめよ…。」



私は毎日不安で…不安で…
仕方がなかった…
謙ちゃんに相談したくても
嫌われるんじゃないかなって思って
悩みを打ち明けれずにいた



「よし、だいぶ乾いたし
怜生くんのところまで行くか…。」



私は自分のカバンを教室に取りに
行ってから怜生くんが待つ場所に向かった