知らないことは知らないままで

「私、高校3年生の時に
癌だったの…。」

「癌…?」

「高校3年生の春に肺に癌が見つかちゃって
ステージ4まで進行しちゃってた…。
周りの人が私の様子を見て
違和感を感じて病院に行った時には
もう手遅れだった…。」

「羽衣…。」

「ごめん…。だから…私
謙ちゃんと…付き合えない…。
私もう人間じゃないもん。」

「えっ…嘘だって…!
だって今俺の目の前に居るじゃん!
なんで…。」



俺の頬はいつの間にか濡れていた