知らないことは知らないままで

「うん?謙ちゃん?」

「あっ…いや…。」

「え?どこか変?もう一回着直す?」

「いや…!このままでいいから!
このままで…。」

「ふーん?そう!謙ちゃん準備できた?
私準備できたから行こうー?」

「おっ、おう!」



俺は戸惑いながらも家を出た
浴衣姿の羽衣は、遠い人みたいだった
手を伸ばしたら触れられそうなのに
その距離がひどく怖かった