溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

話してる相手は玉置さん。低い早口でなにか言ってるのを、陶史郎さんがさえぎるみたいに響いてくる。

「うるさいよ、一花が起きる」

リビングの扉が小さく音を立てたのと一緒くらいに、温度がない声音がして。なんとなく背中がすぅっと冷えて。足が勝手にキッチンから離れた。

「ただいま樹」

「おかえりなさい」

新年会はどうしたのかと視線を傾げると。

「つまらないからもう終わりだよ」

袴姿で、前髪も後ろにきちんと流してるヨソ行きの陶史郎さんの眼が、弧を描いた。機械を使ったようにきれいに。

顎の下に指がかかって上を向かされると、半開きになった口の中はあっという間に陶史郎さんの舌に埋め尽くされる。頭の隅で、玉置さんの存在がチカチカ点滅したけど、そっちもあっという間に消えてなくなる。

腰に回された片腕に囚われ、角度を変えてはどこまでも食べ尽くされる。・・・なんだかお仕置きされてるときと似ていた。

言うこと聞かないなら殺すよ。

お酒と香水の匂いに溺れかけながら、体の真ん中に見えない銃を突き付けられてる。

どこか、いつもと手触りが違う銃口。

・・・な気がした。