溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

「行儀のいい人間がいるとは言えませんし、一花お嬢さんがいようと煙草を遠慮する人間もいません。あれ以上は若の我慢が利かなかっただけです」

紙おむつと着替えを詰めたバッグを手渡されながら、胸がきゅっとした。

吸う人ばかりでちょっと心配だったけど、お座敷では自分と一花だけ空気清浄機に囲まれてた。離れのあちこちに置かれてるのと同じだったから、陶史郎さんが用意してくれたのは間違いなかった。

言葉にしなくても分かってくれる。…自分はどうだろう。

「新年の挨拶と、一花お嬢さんのお披露目は無事に済みましたから、樹さんの役目は果たせたと思いますが」

スーツは黒くても、ネクタイはオレンジのペーズリー柄で目立ってる玉置さん。いつも真面目で、笑ったところは見たことがない。でも優しくしてくれる。陶史郎さんのものだから。かな。

「ありがとう、ございます」

温かい気持ちでお礼を言った。

「いえ、それより今のうちに着物を着替えたほうが。お嬢さんは私が見ています」

玉置さんはすごくいい人。陶史郎さんとお義母さんの次に、いつもお礼を言いたくなる人。

ずっと陶史郎さんの味方でいて欲しい人。