溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

引き戸が開く音がして、振り返った視線の先に玉置さんが現れたとき、真っ先に過った。本当なら鹿島さんの場所に玉置さんが座ってた。

陶史郎さんを引き留める、このひとの気持ちが正しいのか間違いなのかわからない。

でもなんだか、自分達が玉置さんを『のけ者』にした気になる。・・・心臓がきゅっと締めつけられる。石が詰まったみたいに苦しい。

背を向けたまま静かに、陶史郎さんは注ぎ足したお酒を口に運んでた。

「・・・迎えにあがりました、若」

玉置さんが一礼したのが映る。

「支倉に戻っていただけますね」

冷たくもあったかくもない声。脅しでもなく、お願いでもない。

「あぁ?いきなり来て、ふざけたコト抜かすんじゃねぇぞ?」

凄みながら、いかつく立ち上がったのは鹿島さんで。カウンターチェアの脚が床を擦ったいびつな音に一瞬、体が竦む。

「いい、構うな」

抑揚のない響きで陶史郎さんが制した。

「お前達はしばらく外せ」