溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

「玉置さん…?」

心の声がそのまま零れた。

「らしくないお節介だな」

「・・・頼まれごとは祝いのついでだ。どっちに肩入れする気もねぇぞ」

「まあいいよ、こっちの手間が省けたことにしておく」

いきさつは分からないけど玉置さんがここに来る。たぶん支倉に戻ってほしい話の続きをしに。きっと…最後のつもりで。

陶史郎さんの横顔に目が張りついて離れない。どうするつもりなのか、怒ってるのとも違う、怖いのとも。静かなのか凍ってるのか。

これだけは分かる。陶史郎さんはひとつも迷ってない。それならもう自分にできることは。膝に置いた手をぎゅっと握りしめ、お腹の底に力をこめる。

おもむろに眼差しを傾けた陶史郎さんが口許だけで甘く笑み、こっちに伸ばした手で頭を撫でられる。

「ここは鷺沢(さぎさわ)一家の縄張り(シマ)だから心配ないよ。支倉の人間は手を出せない、俺にも樹にも。…面倒に付き合わせちゃうね」

今になって思えば。
陶史郎さんは最初から『俺』だった。

「早く帰ってお前を可愛がりたいんだよ。邪魔するなら、玉置に引導を渡してさっさと幕を引かせるさ」