溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

「勝手に押しかけて、包丁のにぎり方から面倒見させたのはどいつだ」

鳥そぼろのあんかけ豆腐をよそったお椀を、それぞれの前に置きながらイザワさんは素っ気ない。

陶史郎さんにご飯の作り方を教えたり、対等に遠慮なく話せる。・・・後ろをついてくる玉置さんや鹿島さんにはできないこと、なんだろう。

そう言えば初対面だったのに緊張するのを忘れてる。『沢崎の娘』を、腫れ物にさわるようにはしないから・・・かな。

一花が泣けば黙って奥の座敷を貸してくれて。一花も食べられるように、すり潰した人参とかぼちゃを薄味で炊いてくれて。・・・玉置さんと似て優しいと思った。

あったかそうなひとが陶史郎さんにいるならいい。ずっといて欲しい。

「美味い酒だったよ伊沢。今日はこの辺で引き上げるとしようか」

初めて来た気がしなかったくらい、居心地のいい時間だった。有田焼のお猪口を、小さく音をさせて戻した陶史郎さんがやんわり微笑んだ。

「じきに会わせたい客が来る。・・・ゆっくりしてけ」

「俺は頼んでないけどねぇ」

不敵そうな響きと。

「どうせ玉置なんだろう?」