溺愛銃弾 〜メルティ・your・バレット~

一花を寝かせたベッドをあいだに陶史郎さんと並んで腰かけ、表へ出ようとした鹿島さんと運転手さんに声をかけるイザワさん。

「用心棒はいらねぇぞ。立ってねぇで座っちゃどうだ」

「伊沢が言うんだから甘えさせてもらえ」

「・・・あざっす」

「沢崎のお嬢さんは・・・酒はどうです?」

「少し飲めるくらい、です」

「親父さんは顔色ひとつ変えねぇ、うわばみでしたがね」

向こうから細めた目の奥で、懐かしんで、悼んでくれたような。

「お嬢さんがこいつと一緒になって孫まで出来たなんざ、墓の下で今ごろ千鳥足でしょう」

勝手に口許がゆるんだ。多分そんな父親じゃないと思うけど、なんとなく想像した。

イザワさんは想像してたよりずっと、深くて広いひとだ。

和え物や焼き物、煮物が色鮮やかな小鉢で次々と。お水みたいな口当たりの吟醸酒とすごく良く合う。

「伊沢は店を出す前から料理が巧くてねぇ、俺のは伊沢仕込みなんだよ?」

得意げな陶史郎さんが綺麗に笑ってる。