暫くは妹がお世話になっている療養所で
働きながら過ごしていた私は、20歳に
なる頃流行り病の結核にかかってしまい、一人隔離された山里で美しい景色を
眺めながら旦那様の幸せを願っていた。


伽耶は、療養所に出入りしていた男性と結ばれ、その後も療養所で働きながら幸せに暮らしてくれている。


寂しい思いをさせた伽耶には、沢山
幸せになって欲しい‥‥

そして愛する人とこれからも仲良く
生きて欲しい‥‥


そんな事を思いながら、私は次の年
この世を去った‥‥。


----------------------------------------

『‥‥‥落ち着いたか?』


詳しい事は話せなかったが、私の中に
いる鈴子と思いを寄せていた圭吾さん
の話を日髙支配人に伝えた後、暫く
嗚咽が止まらずずっと泣き続けて
しまったのだ。

今思えば、上司でもある支配人に
ずっと手を繋がれ、背中までトントンと
あやしてもらうなんて恥ずかしくて
それこそ逃げ出したい‥‥

焦る私を他所に顔色一つ変えない冷静さは見事な物だ。