いけない事とは充分分かってる‥‥

ハルさんという素敵な方がいるのに、
触れることなど許されない方とこうして
肌を重ねているのだ‥‥。

「アッ!‥‥‥ッ」

『鈴子‥‥』

感じたことない甘い痛みも激しい感情も
、今は愛しさに包まれ、抑えることの
出来ない甘い声や吐息が漏れれば、
旦那様は嬉しそうに微笑んでくれた。

『‥‥名前をもう一度呼んでくれないか?』

「ッ‥‥ハァ‥‥け‥ごさん‥‥。」

『もう一度‥‥』

「‥圭吾さ‥‥ん‥アアッ‥!」


汗ばむ肌にしがみつきながら、何度も
耳元で囁かれた声を私は一生忘れずに
いたいと願った。

もしも今度生まれ変わる日が来るなら、
もう一度あなたと出会いたい‥‥と。

日が登り始めた早朝、愛しい主人の
寝顔を見たあと、私は部屋に戻り、
その場に泣き崩れた。

分かってはいても、取り返しのつかない
事をしてしまったのだと理解していた
からだ。