私の心臓の音に重なるほどに速い鼓動
に、嬉しさと信じられない思いでいっぱいになり、両目に涙が溢れ出す

こんな尊い方が、私のような下女が
聞けるような愛の言葉をこんなにも
真っ直ぐ伝えてくださるなんて‥‥

私はハルさんのように美しくもなく、
教養すらない。

でも‥‥今だけは‥‥この旦那様の
思いをなかった事になど出来ない‥‥

それほど私は自分が思っている以上に
この方を愛してしまったのだ

「‥‥‥同じ‥です。」

『えっ?』

旦那様の腕からそっと抜け出すと、
涙で滲んだ視界の向こうにいる愛しい
人の顔をしっかり目に焼き付ける

「‥‥旦那様を‥‥圭吾さんを
 お慕いしております‥‥。」

泣きながら少しだけ笑う私の頬に
旦那様の手が触れると、ゆっくりと
近づいて来た美しい顔に瞳を閉じれば
唇を優しく塞がれた

初めて愛しいと思えた人に抱き締められ、口付けをしてるこの時間がこのまま
止まってしまえばいい‥‥

今だけは使用人の私ではなく、旦那様と
同じように私も一人の女として‥‥