いつからそこにいらしたのか全く
気付く訳もなく、旦那様もハルさんが
いることに驚いているようだった

『予定より早くこちらに着いたもの
 ですから、会いに来ましたの‥‥。
 鈴子さんはお掃除の途中かしら?
 それとも‥‥』

『ハル、よしなさい。私が鈴子に
 話があったんだよ。』

『話‥‥ここで2人きりでするような
 お話とはどんなお話かしら‥。』


「ハル様がご心配される事は何一つ
 ございません。お茶のご用意をして
 下でお待ちしております。」

やはり部屋に入るべきではなかった‥‥

今しがた恐れていた事で、ハルさんを
不安にさせてしまった‥‥

旦那様に仕える身ではあるものの、
ハルさんが奥様になられた際には、
お二人が私の主人なのだ

丁寧に旦那様とハルさんに頭を
下げると、掃除道具を片付けそこを
後にすると、廊下を曲がった先で
自分の手が震えている事に気付いた

「ッ‥‥」

頭では分かってはいても、心がどうしても追いつかない‥‥‥