『泣くな‥鈴子にはこれからもずっと
 隣で笑っていて欲しいからな。』

旦那様‥‥‥

隣に座る旦那様が車を停めると、
泣き続けるわたしの頬に手を触れさせ、
涙を優しく拭ってくれると、緊張が
一気に増して固まってしまった。

狭い車内

恋い慕う旦那様の綺麗な顔が目の前に
あり、心臓の音がどんどん大きくなると
、ゆっくりと近づいた旦那様が私を
腕の中に閉じ込めた。


「だ‥旦那様‥ッ」

『今だけ‥‥名前で呼んでくれない
 だろうか?』

「ッ!‥‥出来ませ‥ん‥‥」


一体何が起こっているのかまだ理解
出来ずに、腕の中から抜け出そうと
するも、背中に回された手に力が込められて抜け出せない

使用人の私にこんな事をしてるところを
万が一誰かに見られたらッ‥‥

お屋敷に向かう道中の林道とはいえ、
いつ誰が通りかかるかもしれない焦りに
不安がどんどん募る


『鈴子‥一度だけ‥』

「‥それ‥は‥命令でしょうか?」

『フッ‥‥俺も‥夢を見たくなった。
 願いと言えば叶えてくれるかい?』

旦那様‥‥‥