嬉しくもあり、考えると悲しくもなると、口に運んだアイスクリンが少しだけ
甘く感じなかった


街中で旦那様が仕立てているお洋服や
お着物を扱う呉服店やテーラーを見て回り、ミヤさんがお使いによく来る和菓子
屋や西洋菓子店なども教えてもらった。


『疲れてないか?』

「はい‥‥とても楽しくてまるで
 夢のような1日でした。」

『俺もだ‥‥。こんなに楽しいと
 感じたのは久しぶりだよ。その相手
 が鈴子で良かった。ありがとう‥。』

「ッ‥勿体無いお言葉です。」

初めて乗る車に乗ってお屋敷に戻る
中、旦那様の見せた優しい笑顔に
胸が詰まり目頭に涙が溢れてしまった


本当に夢のような日だと思った‥‥

自分はもう、伽耶の為だけに生きて
いくものだと思っていたのに、旦那様
に出会って、初めて旦那様の為に生きていたいと思えたのだ。

楽しいなんて気持ちすら知らずに、
生きて行くだけで精一杯のあの日から
諦めずに生きて来て良かったと‥‥