再逢  小指の約束

日髙side


突然目の前で泣き始めた彼女が、俺の
事を懐かしむかのような表情を浮かべ
た後、意識を失って倒れたからかなり
焦ったし驚いた。


知り合いの友人に医師がいた為、急遽
診てもらったが、気を失っているだけで
呼吸も安定しているからと、目が覚めるまでホテルで寝かせる事にしたのだが‥


それにしても‥‥一体なんなんだ‥?

寝顔を見つめながら考えても、彼女と
会った事はないし、初対面には違いない‥‥


あんなに嗚咽を堪えて泣くほどの事を
過去に俺が彼女に何かしてしまってたの
だろうか‥‥?


「‥‥ん‥‥‥け‥‥ご‥さ‥」


目が覚めたのかと思い近寄ると、眉間に
皺を寄せて苦しそうにしている彼女が
何度も首を振ると、また目尻から涙が
流れたので、そっと指で涙を拭えば、
俺の手を彼女が握ってそこに頬を寄せた


『‥‥おい‥何して‥ッ』

「‥圭吾さ‥ッ‥会い‥たかった‥。」


‥けいごさん?‥‥誰のことだ‥‥?

先程まで苦しそうにしていたのに、
俺の手を小さな手が握り、泣きながらも安心したかのようにまた眠ってしまった‥‥