『鈴子さんを旦那様のお世話係に
されるというのは本当ですか?』
体調も回復し、使用人の仕事をこなす
毎日を送っていた私は、使用人頭の
ミヤさんにある日旦那様のお部屋に呼ばれた。
私を虐めていた使用人2人は解雇され、
平穏な毎日を過ごしていただけに、
普段はいる事などない旦那様の部屋は
肩がすぼむほど緊張してしまうのに、
思わぬ通達に冷や汗が流れる
‥‥私が旦那様の‥使用人?
今までは使用人頭のミヤさんとハルさんのお役目だったのに、何故私が‥?
『鈴子の働きはミヤも認めていてね。
主人に誠実に勤める鈴子には
任せられると思ったからだよ。』
『ッ!でも鈴子さんは出自も何処の
人か分からないではないですか‥。
そんな方に圭吾さんのお世話だ
なんて‥‥』
ハルさんの言葉に胸が痛むものの、
本当の事だから何も言えないし、
言える立場でもない。
私は、住む場所と食事が頂けて、
伽耶の治療費が払えれればどんな仕事
だってこなせてきた。
それなのに旦那様のお世話は自分には
荷が重すぎる‥‥
『ハル‥上に立つものが、身分などを
口にして傲慢に振る舞ってはいけない
よ。これはミヤとも相談して決定
した事だ。鈴子、顔を上げなさい。』
ドクン



