「こんな話聞いてて‥も‥ッ‥
 支配人には関係ないのに‥‥」

『関係ないと思うのなら最初から
 足を踏み込んでいない。知りたい
 からこうして一緒にいるんだろう?』

目頭にどっと涙が溢れ視界が滲むと、
支配人が肩を抱き寄せてくれた‥‥

圭吾さんではないのに、同じ温もりを
感じるほど懐かしいその場所は、
嬉しくもあり苦しくもある場所だ。


あの時代‥‥鈴子にはどうにも出来なかった事があり過ぎた。

何度も夢に見るあの日の出来事を
思い出すだけで苦しいのだ‥‥


「とんでもない社員を雇わせて
 しまいましたね‥‥。」


『フッ‥‥そうだな。』


呆れたように笑う支配人が私の涙を
ティッシュで押さえると、冷めた紅茶
を新しくいれなおしてくれた。 


落ち着くまで何も言わずにそばにいて
くれた支配人の優しさに、落ち着きを取り戻し私はまた話し始めた。