階段を拭いていた私は、旦那様に声をかけられ慌てて立ち上がれば、そのまま天井がグルリと回転し激しい頭痛に襲われた


『ッ‥鈴子!!』

体を打ちつける激しい痛みを最後に
私はそのまま意識を失ってしまった。

それから、私は肺炎を患い、高熱が
何日も続いたせいか、一時は生死も
危ぶまれたと後から聞かされた。


下級の使用人が旦那様が用意した部屋で
ずっと寝ただけでなく、本来ならかかる
ことのない医者に診てもらい、意識が
戻った時は1週間も過ぎた頃だった。


使用人頭のミヤさんからは他の使用人
から仕事を押し付けられて1人でこなしていた事を知らず、旦那様からも
お叱りを受けたのに、こんな私にも
謝ってくれて、初めて涙を流した。

我慢しないといけないとは分かっては
いても、何処かで誰かに気付いて欲しかったのだと‥‥


「ご迷惑をおかけして申し訳ありません
 。私に働く事でしか旦那様に何も
 お返しが出来ません‥‥。かかった
 費用は何年かかってもお返し致します
 。妹への仕送りが必要で、今すぐ
 お返しできず申し訳ございません。」

体調もかなり回復した私は、部屋を訪れた旦那様に土下座をして謝った。