こんな誰も近寄らないような場所に
まさか旦那様が来るなんて思いもせず、
愚痴をこぼしてしまった。

答えたという事はそれが聞こえていたと
いう事だ。

前回の失態があるから、これ以上
目をつけられると首になりかねない。


『おい、聞いていたのか?手が冷たいの
 だろう?お湯を沸かそうか?』

「と、とんでもございません!!
 その様なことをされたらわたくしが
 叱られてしまいます。ど、どうか
 今聞いた事はお忘れになって下さい
 ませ。し、失礼致します。」

『待て。』

ドクン

「だ、旦那様!わたくしのような
 下女に触れてはなりません!!」

力強い手が私の手首を掴んだので、
何とか振り払おうとするものの、
びくともしない

『‥‥‥‥お前の手は酷く荒れて
 いるな‥‥‥‥ツラいだろうな。』

えっ?

もう片方の手が私の手に触れると、
カサカサの皮膚をそっと撫でた。

何が起こっているのかわからず、
異性に触れられた事もない私は、既に
全身に熱が回るかのような行為に
俯くしか出来ない