あの猫は可哀想だけど、きっと捨てられてしまったはず‥‥

あんな事になるなら私が見つけなければ良かったと後悔している


何より驚いたのは、少しだけ低い声から
は想像もつかないほど、顔立ちの整った
美しい男性だったということだ。


何もお咎めはないままで済んだが、
他の使用人の嫌がらせは続きツラかったが、伽耶の為に毎日手を擦り合わせながら水仕事をしていた。


「はぁ‥‥‥」


真冬ともなれば、水仕事の合間に吐いた息さえ温かく感じてしまう。

所々あかぎれになっている自分の手の
酷さに、早く春が来ないかと願う


「せめてお湯で洗えたらなぁ‥。
 なんて‥‥夢のような事言ってると
 また叱られちゃうな‥‥。」


『‥‥叶えて欲しいか?』


えっ?

聞き覚えのある声に、しゃがみ込んで
洗濯をしていた私が振り返ると、そこには腕組みをして立つ旦那様がいらっしゃった

「ヒッ!!だ!旦那様!!」

尻餅をつきながらも慌ててその場に
立つと、目を合わせてはいけない
立場なので頭を下げた