当時

両親に先立たれ、身寄りのない私と
妹がお金で売られた先が、財閥でもある旦那様がいるお屋敷だった。

給金は少なくても、当時17歳の私と
14歳の妹は食べる物と眠れる場所が
あるだけで十分幸せだった。


1番下級な召使いは水仕事が殆どで、
体の弱かった妹の伽耶が寝込む日は
2人分働かなくてはいけなかったが、
それでも寒さに身を寄せて外で眠って
いた日々よりはマシだったのだ


『鈴子!!まぁだお前の妹は風邪が
 治らないのかい!?』

「も、申し訳ありません!私が今日も
 働きますから。」

『全くいいご身分じゃないか。
 働かず寝ていられるなんて。』

目の前にドンっと大量の洗濯物を
置かれると、使用人のツネさんに
深く頭を下げた。

働かないと‥‥‥。
ここを追い出される訳にはいかない‥。

少ないお金で伽耶の薬だって買わないと
いけないのだから。

当時の私は、他の使用人に過度な仕事を押し付けられても何も文句が言える立場ではなく黙って働いていた。