ポケットから取り出されたハンカチで
私の目元を優しく押さえてくれると、
立ち上がった支配人が私に温かい
紅茶を淹れてくれた。


『飲みなさい。庭で採れたラベンダー
 やカモミールで作って貰った
 ハーブティーだから。』

「‥ありがとうございます。」

いい香り‥‥‥。
スッキリとして爽やかで、不思議と
心が落ち着いていく‥‥。

2人きりの静かな空間なのに、
さっきまでの緊張が嘘かのような
落ち着いている。

何度も情けない姿を見せてしまったから、支配人にはもう格好がつかないや‥


「‥物心ついた頃から、自分の中に
 もう1人の人物がいる事に気付き、
 最初はよく分からず、よく夢に出て
 きたり、疲れてる時や不安定な時に
 彼女の気持ちが溢れて、その時代に
 生きていないのに、まるで生きてきた
 かのような感覚に陥ることが何度も
 増えました。」

温かいティーカップを置くと、もう一度
深呼吸をする私を落ち着かせるように
支配人が手を握ってくれたので、私は
ゆっくりと話し始めた