再逢  小指の約束

『こんにちは。
 ようこそPassage du ventにお越し
 下さいました。こちらへどうぞ。』


高級なホテルではないにしろ、ドアマン
の乱れぬ美しいお辞儀や、話すスピード
の心地良さにも感動する‥‥


「こんにちは。本日こちらで面接を
 お願いしてます鳥山 叶香です。」


フロントに案内していただき、目を疑う
ほどの美女に見惚れそうになった。


『かしこまりました。お部屋まで
 ご案内させていただきます。』


まるで映画のような美しい光景に、
面接に来たのも忘れてしまいそうに
なるほどのめり込む。

こんなすごいところを受けに来た事に
今になって緊張感が押し寄せつつも、
2階の部屋の前で立ち止まった彼女が
ドアをノックした事でそれもピークに
達しようとしていた。


コンコン


『‥はい。』

『本日面接にお見えになりました
 鳥山様をお連れ致しました。』

『どうぞ。』

『‥では私はここで失礼致します。』

「あ!ありがとうございます。」

丁寧なお辞儀に丁寧に答えたあと、
ひんやりとしたドアノブを握り
ゆっくりとドアを開けた。