その腕の中に居たいと心が叫ぶ気持ちを
グッと堪えてから抜け出すと、俯いた
まま頭を下げてその場から走り去った

公私混同はしたくない‥‥‥。

そして関係のない日髙支配人を私の
勝手な過去に巻き込みたくない‥‥

そう思ってるのに、近付けば近づくほど
思い知らされる。

‥‥こんな気持ち、他の誰にも感じた
ことなかった‥‥。

この歳だ。
何度か恋愛だってしてきたし、それなりに相手のことを大切にして好きな気持ちも経験してきた。


‥‥でも、日髙支配人に向ける気持ちは
それを遥かに超えてしまう。


それが鈴子のせいなのか、私本人の
気持ちかもう分からない‥‥

頭がぐちゃぐちゃになりながらも
両目から溢れる涙を拭いながら
寮の部屋まで走り、ベッドに突っ伏した


ここが好きだ‥‥。

ここで一人前のホテリエになる為に
沢山勉強したい。

だから‥私の心をこれ以上掻き乱さないでよ‥‥。

何に対して涙が出るのか分からないが、
結局気持ちはスッキリしないまま次の日を迎えてしまった。