スッと伸びてきた支配人の長くて綺麗な指が私の頬に触れると、そこを優しく
撫でてゆく


『‥‥‥以前俺と何処かで会った事が
 あるのか?』

「ッ!!‥‥な、ないです‥ほんとに
 ‥‥支配人とは‥‥。」

『支配人とは?‥どういうことだ?』

しまった!!!

懐かしい温もりに包まれて、本音が
漏れてしまった事に焦り、その場から
逃げ出したい衝動に駆られる。


「あ!あの‥寒くなってきたので
 そろそろ寮に戻りま‥キャッ!!」

距離を取ろうとして後退りしたのは
いいが、湖の柵に足を取られて、
そのまま後ろに倒れそうになった


『‥ッ‥‥危ないだろ‥‥平気か?』


背中に回された力強い腕の力‥‥。

引き寄せられた腕の中の温もり‥‥。

そのどれもが初めてのことなのに、
体も心もちゃんと覚えてる‥‥‥。

彼が圭吾さんだということを‥‥。


『‥鳥山さん?』

「‥‥すみません。支配人に迷惑を
 かけてしまって‥‥。私そろそろ
 寮に戻ります‥‥お疲れ様です。」