日髙 side

『瑆、お前‥鳥山さんに俺に恋人が
 いるとか言っただろう?』

仕事終わりに、執務室でくつろぐ友人
に冷たい視線を送ると、ニヤリと笑い
綺麗な顔を崩した

はぁ‥‥やっぱり犯人は瑆か‥‥‥

何をどう勘違いして鳥山さんが花苑様の事を俺の恋人だと勘違いしたのかは分からないが‥‥あんなにも動揺してる彼女を思い出すと思わず笑みが溢れる


『うわ‥‥冷静で冷たい王子が何とも
 ゆるい顔をして‥‥。』

『そうか?あと王子は辞めてくれ。
 三十半ばのいい歳だ。』

大人気なくどうでもいい理由をつけて
キスなどしてしまったが、あんな潤んだ瞳で見つめられては理性も崩れる

その相手が彼女ならなおのこと‥‥

もう‥‥誰かを愛するなんて気持ちを
持たずに生きていくと思っていたのに、
彼女の事を考えると不思議ともう一度
恋愛なんてしてみてもいいかとさえ
思えてしまう

前世が関係あるのだとしたら、惹かれるのは当然なのかもしれないが、彼女に
泣かれると冷静でいられない