エンジンをかけた支配人を固まって
見つめていると、動かない私を背もたれにもたれさせ、シートベルトをスマート
にしめてくれた。


嘘でしょ?‥‥今‥‥名前で‥呼んだ?

ぼーっとする私を覗き込む綺麗な顔に
ハッとするものの、それ以上後ろに
逃げられず顔を思いっきり背けた

ただ自分の名前を呼ばれただけ
なのに、こんな事で胸がドキドキと
煩くなるなんて‥‥困った‥‥

花苑様の事は恋人じゃないって
言ってたけれど、キスだって2回も
されて名前呼びなんて恐ろしい人だ‥

仕事中見る支配人の姿とは全く違う
知らない姿にさえ頭が追いつかない
のに、色々ありすぎてパンクしそう。

明日‥‥出掛けるのは辞めて1日ゆっくり体を休めるプランにした方がいい
気がして来たよ‥‥

1人でパニックになる私を他所に、
何事もなかったかのように落ち着いて
運転する余裕な支配人への気持ちが
勝手に膨らむ‥‥そんな時間だった。