止めたくても止まらない涙をハンカチで
何度も押さえて拭っていると、暫くして
から車のドアが開いた。

『待たせてすまない。それじゃあ
 帰ろうか。』

「ッ‥支配人‥‥すみません‥‥。
 私は自分で思っているよりも、
 支配人といると、やっぱり感情が
 コントロール出来そうにないです。
 誘って頂いて、一緒に食事が出来て
 嬉しかったのに‥‥ッ‥」

何とか泣かずに伝えたかったのに、
最後の最後で言葉に詰まると、腕を
引き寄せられ、いつの間にか温かい
温もりに包まれてしまった。

『もう泣くな‥‥。俺は君に泣かれると
 かなり堪える‥‥。』

「離して下さ‥‥ッ‥こういう事は
 大切な人にするべきです」

『フッ‥‥それなら問題ないな。』

えっ?

背中に回る支配人の腕が少しだけ強められ、両手で押しのけようとしても全く
叶わない‥‥

何で私なんかにこんな事をするのか
分からないから余計に胸が苦しくて
泣けてくる‥‥

突き放して欲しいのに、この温もりから
逃げ出さずずっと居たいと思うから‥‥