再逢  小指の約束

どう説明したところで、信じてもらえる訳ないし、なんなら気持ち悪いとさえ
思われるかもしれない‥‥

もしかして無意識にその名前を何処かで
発してしまったのだろうか?


「‥‥な‥何のことですか?」

知らないフリ決定。

『‥‥いえ‥少し気になったので。
 もしよろしければ、今日はもう遅い
 ので、こちらで泊まってください。
 面接はまた明日にでも。』

「ええっ!!?泊まる!?」

とんでもない提案に、益々口が開いて
しまうも、立ち上がった日髙さんが
私の目の前まで詰め寄ると、ゆっくりと
顔を近づけて来たので固まった。


何?‥‥知らないフリがバレた?

ドクンドクンと心音だけが大きく響き、
この距離だと相手に聞こえてしまいそう


『不安でしたら朝まで私がご一緒
 しましょうか?』

「ヒッ!!」

か‥顔が近‥過ぎ‥‥‥ッ‥。
耳元で囁かれて、全身が沸騰しそう
なほど火照る‥‥。


『フッ‥‥‥』