暫く庭園を歩くと、辿り着いた先は
あの湖のほとりで、ベンチに私を座らせると支配人も隣に腰掛けた。

『ここなら誰にも話を聞かれないし、
 邪魔されない。話してごらん。』

「‥‥くだらないッ‥ことなんです。」

差し出されたハンカチを受け取ると、
両目にそれを押し付けると、支配人が
私の頭を優しく撫でてくれた

どうして私なんかにこんなに支配人は
構うのだろうか。

マネージャーでもあり、雇い主でもある
のは分かるけど、まるで恋人にでもする
ような行動は勘違いしてしまうから
今の私にはよりツラく感じる

意識していないなんてもう言えないくらい、自分の中で日髙支配人の事が
特別になっているのだから‥‥


『暁人さん、こんなとこで何して
 いらっしゃるの?』

ビクッ

ホテルから離れたこの場所に、こんな
時間に誰かが来るなんて思ってもおらず、突然聞こえた声に体が震える

『‥‥花苑様こそ、こんな場所まで
 何かご用でしたか?』


記憶に残るハルさんと今の花苑様が
重なってしまい怖くて見れない‥‥