『人が話してる時は前を向いて目を
 見なさい。』

「!!」

必死で気持ちを抑えているのに、
こんな時に圭吾さんと同じ事を言う
なんて‥‥‥

「ッ‥‥すみません‥緊張していた
 だけで、何も関係なんて‥」

動揺していた私の目の前にいつの間にか
支配人が来たのか、私の手を支配人の
手が包み込んだ。

『フッ‥‥手が冷たい‥‥また俺が
 泣かしたなんて言われるな。』

「泣いてませ‥ッ‥‥本当に何も‥」


両目に自分の意思とは関係なく溢れる
涙を見られたくなくて顔を背けると、
支配人に手首を掴まれた。

『林さんすみません。鳥山さんと
 執務室で話してきますので、
 何かありましたら電話ください。』


えっ!?

フロントに顔を出した支配人が私を
隠すように連れ出すと、執務室がある
2階ではなく何故か外に連れ出された

一緒にいるのがツラいはずなのに、
手首からいつの間にか私の手に移動していた支配人の手の温もりに涙が流れる