再逢  小指の約束

正直、目の前に居る日髙さんを見ると、
冷静ではいられないのも事実だ。

でも、そこを抜きにしてでも私は
ここでしか上手く呼吸が出来ない‥‥


『フッ‥‥‥神頼み‥‥』

えっ?


整った顔立ち。綺麗にセットされたヘアスタイル。美しくスーツを着こなせる
背丈と体の作りに見惚れるのは当然
だが、その完璧な彼が少しだけ崩れた
気がした。

‥‥‥‥‥‥同じだ‥‥やっぱり
彼は‥‥‥


『いいでしょう。話を聞かず落とす
 のも気分がいいものではありません
 から。』


「本当ですか‥‥ッ‥ありがとう
 ございます!!」


せっかく頂いたチャンスを無駄には
してはいけない。第一印象はきっと
最悪だと思うし、もう変えられない。

あとは素直に自分の気持ちを伝える
だけだ‥‥


『鳥山さん』

「はい!」

『‥‥けいごさんってどなたですか?』


ドクン


日髙さんが何故その名前を知っている
のか分からず、目は見開き口も大きく
開いてしまう