心の音-ココロノオト-


翌日。

1人寂しく、窓際の1番後ろの席で昼休みを過ごそうとしていた。

そう。

していた。


もう気配で分かるんだよね。

茜部先輩だ!って。


廊下に目をやると、お昼ご飯が入っているであろうレジ袋を持った、ドアで腕を組む茜部先輩がいる。

視線が重なる。

思わず、反射的に逸らしてしまう。

やばい、絶対なんか言われるやつ…!


「胡桃。中庭ベンチ。集合」


ガヤガヤする教室の中でも、茜部先輩の声だけはしっかりと聞こえた。

無愛想にそう言って、茜部先輩は立ち去ってしまった。


中庭ベンチ。

慌てて弁当を包んで向かった。