昼休み終了5分前、茜部先輩が起き、私も教室へ戻る。


放課後、図書室に行くと、茜部先輩の姿はまだない。

私の方が早かったらしい。


「これ返却で」

「あ、はーい」


慣れない手つきで軽くテンパりながら、返却手続きをする。


「ありがとうございましたー」


と、見送る。


入れ違いで茜部先輩が来る。


「おつかれ」

「おつかれさまです!」


少しボリュームを抑えて挨拶。

私の右に座って、本を読み出す。


「本、読むんですね 」

「あ?」

「いや、本興味無いのかと」

「図書委員だぞ」


まあそうか、わざわざやらないか。