早速やってくる水曜日。
昼食を貪って、ペンギンみたいに歩くと走るの中間で図書室に向かう。
案の定、茜部先輩が先に来ている。
「遅れてすみません!」
図書室に声が響く。
振り向いた茜部先輩が、怪訝な顔をする。
「ここ図書室な…」
「す、すみません…」
茜部先輩の左側に座る。
「昼休みは人少ないから、そんな急がなくていい」
「あ、はい」
「それと、貸出と返却のやり方教える」
「はい」
丁寧に、作業を教えてくれる。
返却された本は、ある程度溜まったら片付けるそう。
教えるのが終わると、
「あとは本読むなり宿題やるなり、好きにしな。校内イベントで作業がある以外は自由」
「あ…はい」
そう言って茜部先輩は、突っ伏して寝てしまった。
誰も来ない、茜部先輩の寝息だけの静かな図書室で、私は本を読み進めた。



